手ぬぐい

手ぬぐいとは

手ぬぐいは、誰もが知っている昔からある布です。手ぬぐいは特に夏場には大活躍してくれて、ハンカチのように汗をふきとり、日差しの強い日であれば日焼けよけにもなります。男性は、頭に巻いたりして汗の予防に使ったりしますね。冬でも、首にまけば防寒対策にもなります。このように、手ぬぐいは汗をふいたり、顔や手を洗った水を拭ったり、体を洗ったりするためだけでなく、美しく、ときにユーモアや時代の世相を反映します。その他、寒暑除けや塵除けなどの目的や、祭礼においての装身具として頭にかぶることもあります。

手ぬぐいの歴史

ここ最近では手ぬぐいも色々な柄があり、色々な用途に使えます。お洒落の一つとして頭に巻いたりもしています。そして、膝掛けにもなり、用途は様々です。手ぬぐいは吸収性にも優れており、また乾きやすく、日常に使う上でとても便利な布です。そんな手ぬぐいの歴史を知っていますか?

手ぬぐいの歴史とは?

奈良時代の手ぬぐい
神仏の像や飾り付けなどの清掃を目的とした布として、使われていたそうです。
平安時代の手ぬぐい
平安時代に、神祭具として神事に身に纏う装身具として使われていたそうです。
鎌倉時代以降の手ぬぐい
庶民にも少しずつ普及し、室町時代には湯浴みの体を拭うためにも使われるようになり、戦国時代には広く用いられるようになりました。
江戸時代の手ぬぐい
江戸時代には都市部近郊に大豆などと並んで綿花の穀倉地帯が発展し、木綿の織物とともに普及していきました。この頃から「手ぬぐい」と呼ばれるようになりました。
明治時代の手ぬぐい
染色の技術が考案され、もっと複雑な図柄にも対応できるようになり、繊維産業の隆盛とともに染色の技術が普及していきました。

手ぬぐいの歴史は日本の織物の歴史

手ぬぐいがさかんに現れるようになったのは平安時代といわれています。この頃は儀礼に使われていたようです。庶民の間で広く使用されるようになったのは、江戸時代のこと。輸入品だった綿布が、徐々に国内で棉栽培が盛んになり、庶民の手に届くようになりました。こうした発展により、木綿の染手ぬぐいが江戸時代の庶民に愛用されるようになりました。

手ぬぐいの広がり

手ぬぐいは、お年玉など時節や節句の縁起物としての贈答や、餞別や心付けから大入りや興行の景気付けの祝儀や見舞いの不祝儀としても配られていました。特に人気商売であった歌舞伎役者や大相撲の力士や落語家などが、贔屓筋や客に名入りや自身を表す紋の入った手拭を名刺代わりに配りました。その他にも大店などの商店が、宣伝を兼ねて屋号の入ったものを顧客に配っただけでなく、屋台などの暖簾などに使用されたり、様々な用途の広がりをみせていきました。

手ぬぐいの染め方

代表的な手ぬぐいの染め方として、病除けや虫除けとして柿渋を単色染めした渋手拭豆絞りや、染色の小紋柄等があります。関東では浮世絵や歌舞伎といった柄が好まれ、関西では名所や御当地をあらわす風景などの柄が好まれています。

  • 浮世絵・歌舞伎・・・花魁や太夫や歌舞伎役者を描いた図柄が施されたもの。
  • 縁起物・・・縁起物の絵柄を施したもの。サイコロ(どう転んでも芽が出る)や弓矢(神祭具)やだるまや招き猫などが、描かれています。
  • 晒・・・白無地ともいい、反物を水で晒し糊などを落とし、天日で乾かした素地のもの。
  • 半染・・・半分だけ単色染めしたもので、多くは斜めに染め分けられました。
  • 無地・・・晒を単色染めしたもの。
  • 白地・・・白無地に余白を大胆に残した日本画に倣った絵柄で、動植物や風景などが描かれています。
  • 総柄・・・手拭いの全面が柄が施されています。
  • 小紋柄・・・花鳥風月などを題材とし、小さい柄が規則的に並んだものまたは、散りばめられたもの。
  • 四季・・・季節や節句または、干支などをあらわした柄で彩られたもの。
  • 名所・・・各地の風景や富嶽三十六景や東海道五十三次などの図柄が施されたもの。

手ぬぐいの用途

街中を歩いていたりショッピングセンターを見ていても、手ぬぐいを扱うお店がたくさんあります。また、美術館や博物館・観光地など、様々な場所でオリジナル手ぬぐいの販売もされていますよ。ですから、ハンカチのように、気に入った柄の手ぬぐいを持っているという人も少なくないのではないでしょうか。そんな手ぬぐいの活用法をご紹介したいと思います。

  • おしぼり代わりに・・・用意が無いとついついティッシュを使ってしまいますが、毎日の食事の際にちょっとテーブルに用意しておくと重宝するのがおしぼりです。手ぬぐいでおてふきを作っておけば、ちょっとした汚れなどもそれで拭うことができます。
  • ハンカチやタオルの代わりに・・・普通のハンカチやタオルは1度濡れてしまうとなかなか乾きづらいのですが、手ぬぐいはすぐに乾きます。そのため、バッグの中が濡れたハンカチやタオルで湿ってしまった・・・、というようなことも起こりづらいのです。手ぬぐいはシンプルな1枚の布ですし、ハンカチやタオルの代わりに使うのは最もオーソドックスな使い方です。
  • インテリアに・・・インテリアに使うのもおすすめです。気に入った柄の手ぬぐいがあるのなら、掛け軸のようにてぬぐいを飾ってみてはいかがでしょうか?今は手ぬぐいを飾れる木の棒や、手ぬぐいにぴったりサイズの額なども販売されていますので、それらを利用すると手ぬぐいを素敵に飾ることが可能です。

色々な手ぬぐい

手ぬぐいは色々な使い道がありますので、長くしっかり徹底的に使ってあげましょう。

  • 健康入浴・・・手ぬぐいは体についた水を拭きとったり、体をこするだけでなく、銭湯などの往き帰りの小間物入れとしても活用します。
  • 按摩・・・按摩において、施術する場所に必ずというわけではありませんが、手拭をかけて行う慣習があります。
  • おむつ・・・おむつでは、晒のものが使われました。最近でも乳幼児の自発表現を促す効果があるとして木綿の布おむつを選択する親も増えています。
  • 医療品・・・止血帯やガーゼや包帯などにも利用されます。また、熱を下げるため濡らしたものを額に乗せます。
  • 布巾・・・食器を洗ったり水気を拭いたり、煤払いや掃除などの空拭きや水拭きに使われます。
  • 装身具被り物・・・帯、下帯など。
  • 晒・・・渡世人の出入りや陰腹を切った武士が胴に巻いたり、女性が和服を着るときに大きな胸を隠すために巻いたり、安産を祈る風習として妊婦の腹に巻いたりするのに使われます。
  • 前掛け・・・手ぬぐいそのまま帯にひっかけて、手拭きや着物が汚れないように前掛けとして使用します。
  • 女衿の覆い・・・着物の衿が汚れないように手拭で被ります。柄物を使用して意匠の一部としても楽しみました。
  • 髪結い肩掛け・・・髪結いや散髪や化粧のときなどにも汚れ防止として活用しました。
  • 着物・・・装飾に優れた手ぬぐいを、上手に組み合わせ着物や浴衣として縫製しました。ケ着(ハレ着の相対)などの普段着の継当てや裏地の補修や、布団の汚れやすい部分に当て布として使用されます。
  • 布草履・・・布を一部併用した草履で、古くなった手ぬぐいを利用しました。「滑りにくい」、「足になじむ」として、足場の悪い環境であった、山林従事者がおもに使ったとされています。現在でも健康目的で自作や販売がされています。
  • 鼻緒・・・下駄や雪駄などの鼻緒が切れた時に、簡易の代用として手ぬぐいを裂いて使用しました。
  • ハタキ・・・あらかじめ用意された先に切れ込みの入った竹や木製の棒に、古くなった手ぬぐいを割いてハタキにしました。
  • その他暖簾・・・看板と手拭きの両面を兼ねて、屋台などで利用されました。のちに手ぬぐいではなく暖簾に変わっていきました。またこうした習慣が、日本の商いにおいて、顧客に店名入りの手拭を配る習慣につながっていったとされています。
  • 手本引・・・手本引(てほんびき)とは江戸時代に考案され、昭和40年代ごろまで続いた賭博の一つ、数を表す札を使用した賭け事で、親が引いた札を伏せるのではなく、折りたたんだ手拭に挟んで隠すやり方が特徴です。